学長室だより
ニュートンのりんごの木

聖籠館前にある「ニュートンのりんごの木」
連休を終えて敬和学園大学に戻ってくると、周りの田んぼには水が張られ、キャンパスもこんもりとした新緑の美しい木々に囲まれた緑園となっていました。敬和学園大学の聖籠館前にある「ニュートンのりんごの木」には、ピンクがかった白い花が咲いているのに気付かれたでしょうか?この木は1991年の開学に合わせて30センチほどの苗木を秋田県果樹試験場から分けていただいたもので、「ニュートンのように世界をリードする人材が育ってほしい」との願いを込めて植樹されたそうです。
国際基督教大学(ICU)元教授の故渡辺正雄先生によれば、万有引力の法則を発見したニュートンの英国ウールソープの実家にあった「ニュートンのりんごの木」といわれるものは1814年に枯れましたが、接木で増やして保存されていたそうです。その一つがイギリスの国立物理学研究所の庭に植えられており、それから接木で仕立てられた苗が1964年に日本に送られ、東京大学理学部付属植物園(小石川植物園)が管理に当たってきました。この苗木はウイルスに侵されていたものの、2回の接木で無毒化に成功し、1981年から小石川植物園で一般に公開が開始されました。この植物園から、全国十数か所に苗木が分けられ、秋田果樹試験場も苗木を譲り受けてさらに増やし、ご厚意で敬和学園大学にも苗木を分けていただいたそうです。渡辺先生は、ICUでの植樹式の際に、「日本人は、科学を機械のように考えていて、西洋から日本に運んでくれば、日本でも直ちに西洋と同じように機械が仕事をするかのように考えている。彼らは「科学の樹」を日本に育てようとしたのに、日本人はもっと手っ取り早く、最新の科学の実を彼らから受け取ることだけで満足している」との親日家で医師のエルヴィン・ベルツの批判を紹介しておられます(『国際基督教大学寄付プログラム「科学史」開設記念講演』国際基督教大学、1988年)。敬和学園大学の木は1997年に初めて20個ほどの実を結んだと当時の新聞記事にあります。このような「科学の樹」(科学の精神)を育て、「世界をリードする人」が育てることは敬和学園大学のヴィジョンでもあります。貴重な資料をご提供くださり、ニュートンのりんごの木について教えてくださった西村秀雄先生(本学元教員、金沢工業大学客員教授)に感謝申し上げます。(金山 愛子)










