ダビデの物語・ダビデ王位継承史その4
ダビデが王に即位し、エルサレムを占領して首都に定め、神の箱を運び上げた後、神殿を建てたいという願いを持つことは、部族連合から国家形成への道を辿っていることを意味します。遊牧民の伝統が都市国家の伝統にど...
ダビデが王に即位し、エルサレムを占領して首都に定め、神の箱を運び上げた後、神殿を建てたいという願いを持つことは、部族連合から国家形成への道を辿っていることを意味します。遊牧民の伝統が都市国家の伝統にど...
「王は王宮に住むようになり、主は周囲の敵をすべて退けて彼に安らぎをお与えになった。王は預言者ナタンに言った。『見なさい。わたしはレバノン杉の家に住んでいるが、神の箱は天幕を張った中に置いたままだ。』ナ...
ダビデ王位継承史はダビデの後継者になるのは誰かを物語るものですが、サムエル記は、サムエル、サウル、ダビデの生涯を辿りながら、カリスマによる支配から世襲カリスマへと移行するプロセスを描こうとしています。...
ダビデが神の箱をエルサレムに運び上げた時点で、イスラエル十二部族を束ねる王国の基礎は固まったと見ていいでしょう。ここからダビデの王権がどのような形でどの息子に継承されていくのかを、サムエル記は描こうと...
エルサレムを拠点にダビデ王は宿敵ペリシテ軍を二度にわたって打ち破り、抵抗ができないほどにしてしまったのです(サムエル記下5章17節~25節)。続いてダビデは、イスラエル十二部族連合の象徴であった神の箱...
「ダビデはこの要害に住み、それをダビデの町と呼び、ミロから内部まで、周囲に城壁を築いた。ダビデは次第に勢力を増し、万軍の神、主は彼と共におられた」(サムエル記下5章9節~10節)。エブス人の町エルサレ...
王となったダビデは、小都市ヘブロンを拠点にしてペリシテに対抗することは考えませんでした。戦略上の利点を考え、エブス人が住んでいた要塞都市を攻略しようとしたのです。「王とその兵はエルサレムに向かい、その...
「ダビデは三十歳で王となり、四十年間王位にあった。七年六ヶ月の間ヘブロンでユダを、三十三年の間エルサレムでイスラエルとユダの全土を統治した」(サムエル記下5章4節~5節)。この注記は、後代の歴史家が記...
「イスラエルの全部族はヘブロンのダビデのもとに来てこう言った。『御覧ください。わたしたちはあなたの骨肉です。これまで、サウルがわたしたちの王であったときにも、イスラエルの進退の指揮をとっておられたのは...
イスラエル諸部族の召集軍は解体の危機にありました。野心を抱く者たちがダビデに取り入ろうとしたのは、起こるべくして起こる状況であったかもしれません。「アブネルがヘブロンで殺されたと聞いて、サウルの息子、...