学長室だより

過去の歴史から学ぶ

大学進入路の両脇の田では、早苗が大空に向かって真っすぐに伸びています。刈り込まれた進入路の欅の木々も、青々とした若葉が茂ってきました。東の調整池の周りではアヤメがきれいに咲いています。日本4大アヤメ園の一つである五十公野公園のあやめ園の60万本のアヤメもそろそろ咲き出すころでしょう。

新発田市の花であるアヤメがキャンパスで咲いています

新発田市の花であるアヤメがキャンパスで咲いています

 

21世紀の時代にこんなことがあっていいのかというウクライナに対するロシアの戦争は、既に3か月を過ぎて、長期戦の様相を呈してきました。この戦争の影響は政治・軍事・経済面に限らず、いろいろな面で世界的に影響を与えています。さまざまなことが実況中継のように報道されるのを見聞きして、これは人ごとではないと思わされることがあります。それはかつての日本が韓国や台湾を併合し、中国大陸から東南アジアや南太平洋に侵略していった姿と重なるところがあるからです。沖縄戦と広島・長崎への原子爆弾投下とソ連の参戦によって停戦に追い込まれる以前の日本です。ウクライナでの戦争がこれ以上拡大することなく停戦に向かうことを祈ります。

このような戦争は人類の歴史の中で何度繰り返されてきたのでしょうか。そのたびごとに人類はこのようなことが二度と起きないようにと残酷な戦争体験からそれを防ぐ手だてを学んできました。第二次世界大戦の経験からは、それを防ぐ仕組の一つとして国際連合や安全保障理事会などが組織されました。しかし、それらが機能不全に陥っている状態です。それらを有効に機能させる新たな仕組とリーダーシップが模索されています。かつてゲーテは「三千年の歴史から学ばない者は、暗闇の中を歩むようなものだ」と言いました。(山田 耕太)