キャンパス日誌

【授業紹介20】哲学(担当:井西弘樹)

「当たり前」を吟味し、新しい見方を獲得する学び

この講義では、哲学や倫理学の基本的な考え方を学びます。前期は、さまざまな哲学者の考えから哲学的な発想について解説します。後期は、安楽死や環境問題など、私たちに身近な問題を題材にして倫理学の考え方を学びます。授業では、私たちの「当たり前」を徹底的に吟味します。例えば、部屋の中の机は、私が見ていない時にも存在しているのか。けが人を見た時に感じる「他者の痛み」は、本当に存在しているか。私が見ていない時の机も、他者の痛みも、実は本当にあるのか分からないものです。それにもかかわらず、それらがあるという「思い込み」なしに、日常生活は送れません。このように、世界についての新しい見方を獲得することが授業の目的です。(国際文化学科専任講師 井西弘樹)

新しい視点から、「当たり前」の日常を考えます

新しい視点から、「当たり前」の日常を考えます

参加学生のコメント

皆さん、「哲学」と聞いて何を思い浮かべますか 。私が1年間を通して学んだ哲学とは、普段当たり前と思っていることに疑問を抱き、スタート地点からあらためて考えることでした。
前期は、「よく生きること」、「正義」、「神の存在証明」などについて学びました。人によって何が正義であるかの基準はバラバラであり、今に至るまで歴代の哲学者たちの論争の的となってきました。そういった答えのない問題を考えていくことは、私自身の正義理解を考え直すよいきっかけになりました。
そして後期は、私たちに最も関係がある「命」について、「生命倫理」「動物倫理」「環境倫理」の観点から学びました。命の選別や差別、環境の問題は世界各国で取り上げられています。リアルタイムで起こっていることと哲学とが絡んでいることを知り、さらに学びの範囲が広がりました。
この授業を通して、多くの知識と、物事をよく考えることの重要性を学びました。この学びは、私が人生を歩む上で大きな役割を担っていくと思います。(国際文化学科2年 宮島芙夕弥)

参加学生の宮島芙夕弥さん

参加学生の宮島芙夕弥さん