キャンパス日誌
【ゼミ】佐渡島で朱鷺のビオトープづくりを行ってきました(房)
8月15、16日の2日間、房ゼミのメンバー8人が、佐渡島での朱鷺を巡るアクティブラーニングを行ってきました。
今回のアクティブラーニングの目的は、「朱鷺」をキーワードとして、朱鷺と自然・農業・人間との文化的および社会的関係、朱鷺と佐渡・日本・中国との地域的および国際的関係がいかに変化してきたかについて深く理解すること、そして、それらの問題意識への理解を通して、2016年度前期に教室で学んできた「持続可能な経済・経営システム」構築の真意を体験することにあります。
はじめに、とき交流会館にて、佐渡生き物語り研究所理事長の仲川純子さんのお話を伺いました。
1980年代には日本国内外では朱鷺が絶滅したとみられていました。
かつて佐渡に多く生息していた純日本朱鷺がなぜいなくなったのか、野生朱鷺復帰のために、その後30年間をかけて、佐渡地域の人々がいかに有機農業、自然環境整備に取り組んできたのか、今日までに日本・中国との間に民間的朱鷺往来および政府間の朱鷺外交がいかに展開されてきたのかを聞き、学習しました。
続いて、認証米を栽培する水田に行き、朱鷺と生き物を育む農法との関係について「体」を使って学習および調査することができました。
齋藤真一郎さんの指導を受けながら、私たちは、朱鷺生息環境を整備するビオトープ作りに汗を流しました。大変貴重なボランティア活動でした。
朱鷺との初めての出会いは、奇遇なものでした!
宿泊地となる、とき交流会館の近くにある大きな杉の木の上に巣を持つ、かわいい朱鷺3羽を肉眼で見ることができました。感動的な瞬間でした。
夕食は自炊でした。これも最高のひとときでした。
佐渡島は資源豊富な宝島です。
山師探険コースの体験では、江戸初期の先人たちの金・銀への執念およびその努力に感銘を受けました。歴史上、ここが金・銀と朱鷺の島だったのを五感で理解し、感無量でした。
毎日ブラジル・リオディジャネルオリンピックの中継がされていますが、選手たちはもちろん、現代人のメダルの色に対する執着心および日々の闘いの姿勢は昔と変わってないように思います。刺激とエネルギーを与えてくれた体験コースでした。
今まで朱鷺に対して無関心で、話題にもあげなかった学生たちが「2日間で朱鷺がこんなにかわいく思えるようになった自分の変化にびっくり」と言ってくれました。アクティブラーニング教育の大切さとその効果を実感すると共に、人と生き物が共存する生物多様性の社会、環境と経済が循環する持続可能な社会を構築する重要性およびその難しさを痛感しました。
アクティブな学生だったからこそ、今回の「朱鷺を巡るアクティブラーニング」のゼミ活動は大変充実したものになりました。
(国際文化学科教授 房文慧)