チャペルのひびき

認知症の方々と共に生きること

チャペル・アワーの説教は、山﨑ハコネ先生(共生社会学科長)がご担当くださいました。先生は、本学にて教鞭をとられていますが、キリスト教会(日本基督教団)の牧師であられるとともに、グループホーム「からし種」の理事長として、認知症の方々のための尊いお働きを担っておられます。その先生が、どのように、現在のお働きへと導かれたかを、お話しくださいました。そこには、大切な方々との出会い、また何よりも、神さまの導きがあったことを知ることがゆるされました。引き続くアッセンブリ・アワーも、地域において認知症の方々のために働いておられる方々による啓発講座の時間として守られました。本学に隣接するグループホーム「富塚・のぞみの里」の小熊施設長からは、入所されたおひとかたについて、心に残るお話を伺うことができました。また新発田中央地域包括支援センターのスタッフの方からは、認知症という病について、また、認知症になられた方々に、どのように接し、支えてあげたらよいのか、丁寧に教えていただきました。また、認知症になっても人生は終わりではないこと、そこから始まる新たな充実した人生もあることを、丹野智文さんの例を通して、教えていただきました。誰もがなりうる認知症に関しての理解を深め、そのような方々をも温かに包み込む共生社会をいかに培っていったらよいのかを考える良い機会となりました。卒業生の岡田さんが「富塚・のぞみの里」の大切な働きを担っておられることも覚えることができ、誠に幸いでした。(下田尾 治郎)

Ⅰ.チャペル・アワー 
説教 「最も大切なこと」 教授 山﨑ハコネ 先生

Ⅱ.アッセンブリ・アワー
講話 「認知症の方々と共に生きる」 新発田中央地域包括支援センタースタッフ、グループホーム富塚・のぞみの里施設長 小熊高広 先生


<参加学生の感想>
感想1) 山﨑先生の両親を敬うことができなかったが、イエスを信じ洗礼を受けたことで、少しずつ、敬うことができるようになったという体験から信仰することで最も大切なことを見いだせることを知った。最も大切なことは、福音を受け入れ、心・生活のよりどころを持つことで知ることができるのではないかと考えた。どんな人でも聖書は裏切らない。このことを心に留めて、これから聖書について学んでいこうと思う。そうすれば、私の中の最も大切なものを見いだすことができるのではないだろうか。
感想2) 認知症になって、できないことが増えた人と接する時は、できないということに対して怒ったり、否定するのではなく、それを受け入れ、一緒にできることを楽しむということが大切で、そうすることで認知症になった人は安心感を得ることができて、症状が改善する可能性もあるということが分かりました。私は、高齢の祖父母と一緒に暮らしているので2人ができないことが増えた時は、今日学んだように安心させてあげられるような接し方をしようと思いました。また、これから認知症の方と関わる機会があった時もそのような接し方を意識しようと思います。声掛けの仕方も分かったので、私もこれから困っていそうな人がいたら、安心してもらえるような声掛けができるように、今日学んだことをしっかり覚えておこうと思います。
感想3) 今回のアッセンブリ・アワーを通して、認知症について、新しい知識を身につけることができた。中学の時に授業で少し触れたり、母がケアマネージャーで話を聞いていたこともあって、認知症という病気があることはもちろん知っていたし、どんな風に接すれば良いのかは理解していた。でも、「認知症=治らない、その後もずっと大変」というイメージがあった。なので、今回の授業の例に出た丹野智文さんのように前向きに生活し、活躍している方もいるということを初めて知り、とても驚いた。今までの仕事はできないのかなと思っていたけど、周りの人のサポートで続けられるし、何より、みんなで良い環境をつくっていくことで、できることが増えていくということがとても印象に残った。「できないことが増えるからやってあげなきゃ」ではなく、「何ならできるだろう、一緒にやろう」という考えを持つことが大切だと思った。