チャペルのひびき

変わるものと変わらぬもの 

チャペル・アワーでは、金山愛子学長先生が、「大学の始まり」とのタイトルのもと、大学という教育・研究機関の歴史的な歩みを、その前史から誕生、その後の展開について詳しく跡づけてくださいました。時代による、また地域による特色の違いが見受けられるにしろ、その本質が、学問の自治・自立(教育の自由)ということにあること、またその自由を大切にしながら、社会との関係の中で、力能を発揮してきたことを知ることができました。今日にあって、大学は、より一層、社会に対しての貢献が期待され、そのための教育の質を担保するために、不断の変革が求められています。その一方で、時代の変遷の中にあっても変わることのないものに目を向けることを忘れてはならないでしょう。とりわけキリスト教精神に立つ本学はそうでしょう。ラインホルト・ニーバーという神学者は、「神よ、変えることのできないことを受け入れる心の静けさと変えなければならないことを変える勇気をお与えください。そしてそれらを識別する知恵をお与えください」と祈りました。先生が教えてくださった「知る力と見抜く力とを身につけて、あなたがたの愛がますます豊かになり、本当に重要なことを見分けられるように」との使徒パウロの祈りに深いところで連なる祈りだと思います。イエス・キリストにおける変わることのない神の愛に生かされつつ、大胆に変わってゆく大学でありたいと願います。アッセンブリ・アワーでは、前期エッセイコンテストの表彰式、また受賞した方々によるエッセイ朗読会として持たれました。いずれのエッセイも、与えられた感動をこれからの歩みに生かさんとの思いがご自身の言葉で豊かに綴られたもの。チャペル・アッセンブリ・アワーの豊かな実りを味わうことがゆるされました。(下田尾 治郎) 

Ⅰ.チャペル・アワー 
説教 「大学の始まり」 学長 金山愛子 先生

Ⅱ.アッセンブリ・アワー
前期エッセイ・コンテスト授賞式

<参加学生の感想>
感想1) 金山愛子学長先生は、現代求められる3つのことを最初に教えてくださった。これらの能力を大学に在籍している間に身につけたいと思う。そして、「大学の始まり」の「2.大学の誕生」では、アクティブラーニングが大切だということを学んだ。アクティブラーニングは現代でも重要視されているが、これが13世紀から行われていたとは知らなかったので、新たな発見で驚いた。中世の大学人たちはギリシャ語やラテン語などで「原典」を学び、自分たちが進歩をもたらす主体であることをはっきりと自覚していたと知り、現代の日本の大学生たちはなぜ「進歩をもたらすこと」よりも「大学で定める能力や態度を卒業までに獲得すること」が求められているのかなと思った。求められる内容が変わった背景が知りたいと思った。私は大学在学中にさまざまなことを能動的に学び、多くの力を身につけて社会に出たいと考える。今回のお話を通じて、自分の役割を自覚していた中世の大学人たちのようになりたいと思った。
感想2) チャペル・アワーでは、大学の誕生までの流れを知ることができた。それと共に大学が持つ意味、これからの大学で必要なものが何なのかを少しつかめた気がする。学生が、アクティブラーニングをする機会というのがこの大学の強みであるので、そのような経験は必ず自らの糧になるためがんばっていきたい。また、アッセンブリー・アワーでは、3人のエッセイを聴くことができたのは本当によかった。講話から、自らの問いや、考えを出し、まとめあげる力を私も身につけられるよう努力していきたい。