学長室だより
2007年6月8日号
東京・世田谷の鷗友学園女子高等学校の高1研修会が、今年は5月28日から箱根で行なわれた。2泊3日の研修日のうち、聖書講義は3回。例年そこに招かれて30年になる。都塵を離れ、信州・追分、御殿場・東山荘と歩いてきて、最近は芦ノ湖の宿である。1935年(昭和10)の創設時より校長・市川源三は「慈愛(あい)と真実(まこと)と創造」を校訓として、知育・徳育・体育の三本柱を基礎とする人格教育を目指した。園芸にも力を入れた。十五年戦争期の国家主義の流れに逆らってさえ、「個人の尊厳」から目を離さず、心の教育に重点をおく教育理念を通した。石川しづ以下の諸校長もその線を守った。現校長・清水哲雄氏も教育基本法の「改正」に強く反対する。「聖書との出会いが若い魂を揺さぶり、いかに生きるべきかを考えるきっかけになる」ことを願う、と言われれば、遠き阿賀北の地からも出かけて行かざるをえない。(新井 明)