学長室だより

新発田を知る~加藤ゼミ『越後紀行』ができました!

先週は、新発田市郷土研究会の関川義藏先生と新発田市歴史図書館の鶴巻康志先生から、江戸時代の三幅の国絵図から見えてくる歴史をひもといていただき、当時作成された絵図のレプリカを広げて実際にその上を歩かせていただきました。新発田城や聖籠の森付近に「富塚」の地名を発見。川の流れを変える治水の歴史を実感をもって知り、エキサイティングでした。

地域活動では学生たちもがんばっています。加藤裕康教授のゼミ生が、新発田を実際に歩き、資料を読み込み、インタビューをして新発田や下越の魅力を伝える雑誌を制作しました。雑誌制作の中心となった国際文化学科4年生の杉山さんからお話を伺いました。企画会議を開いて、新潟の3つの街道から新発田と会津を結ぶ会津(越後)街道、諏訪神社の宮司さん、王紋酒造の方のインタビューを中心に記事が組まれました。実際に9月の合宿で会津街道を歩いて大雨に降られたり、蔵春閣の見学や宮司さんのインタビューを行う傍ら、新発田市歴史図書館などに出かけて、資料を読み込むなどしっかりとした取材と研究を重ねて完成しました。「F-1グランプリ」というベストふりかけを選ぶ調査(ネーミングがすばらしいですね)の結果やお薦めレストランや温泉などの紹介も楽しく読めます。杉山さんが苦労した点は調べものだそうで、一つ一つ調べることに相当時間をかけたようでした。「行くだけでは魅力が分からない。知識がないとおもしろさが分からない」という言葉に「我が意を得たり」という気がしました。またインタビューでは相手の言いたいことを伝えることに気を配ったそうです。作って終わりではなく、同人誌イベントなどで売ることを目的にしているため、甘さは許されないと、『記者ハンドブック』を使って文章の校正にも時間をかけたようです。「作って本当に楽しかった。何か作るのは苦しいこともあるけれど、結果が残せてよかった」と話す杉山さんは、「加藤先生とでなければできなかった」と言い、加藤先生は、「インターネットで調べるだけでは深いところは分からない。きちんと資料に向き合うことが大切で、杉山さんは他の学生を図書館まで連れて行ってくれた」と話され、師弟の信頼関係が垣間見えました。そして、雑誌『越後紀行』を読んでびっくり。本当によく調べてあり、読み応えのある記事ばかりで、一気に読んでしまいました。文体も統一感があり、書き手の存在が伝わる文章で、「信仰とは」などのページもなるほどと思いながら読みました。たくさんの方々からこの雑誌を手に取ってもらい、新発田の魅力を知ってもらいたいと思います。(800円で販売しています!)(金山 愛子)

杉山高天さん(写真左)から『越後紀行』についてお話を伺いました