学長室だより

教職課程・教育実習報告会に参加して

敬和学園大学も試験やレポートに報告会など、学びの総括をする時期に入りました。学生の皆さんには体調を整えて、しっかり時間をかけて準備して自分自身と向き合う時としていただきたいです。1月14日には、教職課程を履修する11人の4年生の報告会を聞きにいきました。教職課程の学びやその頂点ともなる教育実習でのさまざまな経験を通して得た反省や自分自身が変わったこと、今後の抱負などを聞きました。教科の知識を増やすことはもとより、自分自身を見つめ、仲間や他の人と協力することの大切さを学んだようでした。そして現場で指導にあたってくださった先生方からは、実に的確な注意とアドバイスをいただいていたことが分かりました。「自分の計画を実現するために時間配分がうまくできず、生徒の主体的な参加を阻んでしまった」「自己満足の授業になってしまった」「生徒への教育的愛情が足りず、ただ自分の承認欲求を満たすために動いてしまった」など、厳しい自己洞察と反省の言葉が聞かれました。多くの学生が語っていたのが、「人に頼れず自分一人で完結させようとしていた」という言葉でした。思えば、彼らは高校3年生の時に新型コロナウイルス感染症のパンデミックが始まり、おそらく修学旅行も高校生活の最後を飾る行事なども中止になった学年で、「ソーシャルディスタンスをとれ」「人と接するな」と言われてきたわけですので、何もかも自分でやらなければならなかったことを考えると、このような傾向があるのも仕方ないようにも思いました。失敗を通して学び、教職課程で単位を落としながらでも、学び直しができてよかったと思います。「授業は生徒に未来を示すこと」「間違ったら謝る。楽しければ笑う。ダメな時は叱るというように、自分自身の気持ちをきちんと伝えたい」というすてきな言葉も聞かれました。4月から教壇に立つ人もいれば障害児の支援をする人、民間の企業に進む人もいます。どんな仕事に就いても教職課程での学びは活きるでしょう。ここまで育ててくださった先生方に感謝の思いを深め、これからも成長を続けてほしいと願わずにはいられませんでした。

教職課程・教育実習報告会が行われました


 

先週のチャペル・アッセンブリ・アワーでは、「私のふるさと」と題して中国人とネパール人の留学生による発表を聞きました。自分の生まれ育ったふるさとや言語のこと、宗教や祭り、民族のこと、言語や食べ物、観光名所のことなど、情報量の多い実り多い時となりました。一生懸命、日本語で話す姿からは、日本語の先生方のご指導の跡を見ることができました。ネパール語の名前を見せてもらいましたが、こういう文字を習得するのは大変だと思う反面、彼らが日本語のひらがな、カタカナ、漢字を学ぶのにも相当な苦労と努力がいることを思いました。大変ではあっても、しっかり学んでほしいです。ネパールからの女子学生は民族衣装を披露してくれました。4月の新入生歓迎公開学術講演会で山本精一先生が、「オモニ(お母さん)ハッキョウ(学校)」で学ぶ在日韓国人の50代から80代の女性たちとの出会いについて紹介され、「今自分の目の前にいる人をその姿だけで捉えない。その人はたくさんの歴史を背負っている」と話されました。そう、私たちと一緒に学んでいるネパールや中国、韓国、ベトナムから来ている留学生一人ひとりの背後に、こんなにも豊かな文化や歴史があるのです。敬和学園大学で学ぶ学生たちには、お互いを知り、友情を深めて学び合ってほしいと思います。(金山 愛子)

チャペル・アッセンブリ・アワーで、留学生の皆さんから「私のふるさと」について発表していただきました