学長室だより
心温まるクリスマスを!~サンタプロジェクトと留学生を支える会
今年のクリスマスは、ステンドグラスのリニューアルやクリスマスツリーのデコレーションに始まり、クリスマスツリー点灯式、先週のクリスマス燭火礼拝とキャロリング、そして本日のクリスマス音楽礼拝と、アドベント(待降節)らしい日々を過ごしてきました。こうして何世紀もの間、人々は御子の降誕を待ち望んできたのですね。そして敬和学園大学では、表に見えにくいところでクリスマスの愛と希望を届ける働きをしているグループがあります。「サンタプロジェクトしばた」です。2009年11月のチャペルで山﨑由紀先生がアメリカの書店で経験されたクリスマスの紹介を聞いて、当時の宗教部長の大澤秀夫先生が早速近隣の本屋さんと話をつけて、その年のクリスマスから、市民の方にサンタさんになってもらって、クリスマスを病院ですごす子どもたちに本を贈る活動を始められました。あれからもう15年、多くの学生が関わってつないでくれました。大学1年生のチャペル・アッセンブリ・アワーの時間にこの活動について知り、以降サンタプロジェクトの活動をしている4年生の齊藤憧子さんに話を聞きました。齊藤さん自身、子どものころに入院した経験があり、お母さまに本を贈ってもらって何度も読んだそうです。今やっていることが、「あの時お母さんがしてくれたことと同じだ」という思いが原動力になっているようです。「サンタプロジェクト」では、「子どもを真ん中に考えること」など、あるのは3つの決まりだけです。齊藤さんは、本を受けとる子どもたち、本を贈ってくれる方々、そして活動する学生たちのそれぞれの思いを大切にしながら活動していると言います。友だちや教師の心無い言葉に傷つけられたことがあったけれど、大学に入ってゼミでの学びの中で、自分の悲しみを知って共に泣いてくれる仲間に出会い、またいろいろな家族の形を客観的に捉えることができるようになったことで、まさに解放されたのだと思います。サンタプロジェクトの活動は冬の期間だけではありません。子どもたちへのカードや市民の方へのお礼の品を手作りし、病院や施設、そして書店と連絡を取りながら、二人三脚どころか多くの人々をつなぎながら、一年かけて愛の灯を絶やさないようにと進めています。今年は早々に予定の数の本が集まったとのこと。もうすぐ子どもたちにサンタさんのプレゼントが届くことでしょう。
そして、敬和学園大学で学ぶ学生たちのところにもサンタさんが来ました。12月17日には留学生を支える会の奨学金贈呈式があり、勉学に励んでいる留学生に奨学金が贈られました。渡辺明紀会長からは、若いころに勉強したくてもできなかったお父上について心打たれるお話をお聞きしました。新発田に来て学んでいる留学生を支援するために、病床にあっても最後まで留学生を支える会の仕事を続けてくださったのです。働きながら夜間で学ばれたそのお父さまは、65歳で博士号を取得されました。学び続けられたその人生に、そして他者の学びをも支援されたその愛と志に、研究・教育に携わる者として最大の敬意を表したく思います。また、この日には新発田ロータリークラブの石井良樹会長、新発田中央ロータリークラブの小池裕会長、新発田城南ロータリークラブの荘司寿伸会長と村山和重幹事のご臨席を賜り、3人の会長さんからは夢を抱かせるような温かい励ましの言葉をいただきました。富川尚学生部長からは、この奨学金の趣旨と寒いこの時期に心を温かくしてほしいとの思いが語られました。3つのロータリークラブの皆さま、教職員、退職教員からのご支援に心より感謝申し上げます。留学生を代表して曹鎏さんから感謝の言葉が述べられました。その場にいらっしゃらない多くの方々が留学生に期待し、支えておられることを心に刻んで、しっかり学んでほしいと思います。
今年一年の本学へのご支援、ご協力とご友情に感謝いたします。「天に栄光、地には平和」。よい年をお迎えください。
Merry Christmas and a Happy New Year!(金山 愛子)