学長室だより

窓の外は大雪

パソコンを使って書類を作成し、原稿を執筆する作業台から、窓の外がよく見えます。12月に入って積雪の日が多く、一面の雪景色は美しいのですが、心配があります。1月に入っても白鳥たちの餌場である田んぼが雪で覆われていることです。白鳥たちは、どこで餌をついばんでいるのかが心配です。田んぼは見晴らしがいいので、飛び立つにも警戒するにも、便利な場所です。飛来地である瓢湖や福島潟等の場所だけで、冬場の餌が満たされるとは考えられません。夜眠る場所ではない川や沼に飛んでいって、餌を得ているのでしょうか。
春に北帰行が始まる時には、大学の上空を、隊列を組んで飛んでいくのが見えるのですが、まるまると太って、低空気味に飛んでいく年もあり、普通どおりのサイズで上空を飛んでいく年もあります。越冬している間の餌の量によるのでしょう。秋に北から飛来してくるときも大学の上空を通り、群れで瓢湖や福島潟の方に向かう姿がよく見えます。飛来してくるときには、どの鳥もやせて、ほっそりしているのが分かります。若い白鳥は小型で、風にあおられているのも観察できるのです。
積雪が続くと、充分な食糧が得られているのかが気になるところです。人間が提供する餌も役にはたっているのでしょうが、多くの白鳥は田んぼに飛んでいき、そこで餌を食べているのをよく見かけます。人間に依存しないで、白鳥たちも自立して生活しているのが分かります。田んぼに、彼らが食べるだけの餌が十分あるはずはないので、餌を探すのも大変ではないかと思っていましたが、今年は田んぼを充分に利用できない年ですから、北帰行が始まるときまでに、しっかりした体形になっていることを、願わざるをえません。(鈴木 佳秀)