学長室だより

木を植える

街中では朝から野鳩の鳴く声が聞こえ、夕刻にはコウモリが飛び交うころとなりました。5月に入りゴールデンウィークも半ばを過ぎましたが、まだ寒い日と暖かい日の寒暖差が大きい日々が続いています。宗教改革者のルターが「たとえ明日世界が滅亡しようとも、私はリンゴの木を植える」という言葉を残したことはよく知られています。

敬和学園大学のソメイヨシノとヤエザクラの木は、開学2年目の1992年に新発田商工会議所青年部の方々によって植えられました。新井明第2代学長は学長に就任した翌年の2004年から「木を育てるように人を育てる」という教育方針の下で、新入生が在学中に木の成長を見ながら学ぶという趣旨で入学式の直後のゴールデンウィーク前後に植樹式をすることを始めました。

新井学長の時代から毎年ユリノキを植樹してきました。ユリノキは10年もたつと大きな木になり、7月ごろにユリのような白い大きな花を咲かせるようになります。鈴木佳秀学長の時代を経て私の学長時代にも毎年ユリノキを植樹しているうちに時計台の前はすっかりユリノキ林になり、ユリノキを植える場所がなくなってしまいしました。

そこで2020年にコロナ禍で入学式ができなかった時に入学植樹式で入学式に代わる簡単なセレモニーを行いました。場所は図書館に近いなだらかな丘の斜面にカワズザクラとカンヒザクラを1本ずつ植えました。コロナ禍の2021年と2022年にも入学式の後でそれぞれカワズザクラとカンヒザクラを1本ずつ植えました。こうして、従来からあった3本のカンヒザクラとシダレザクラとソメイヨシノの空間を埋めて、違った桜が次々と咲くようにしました。

植樹式では新入生がカワズザクラとカンヒザクラの土入れを行いました

植樹式では新入生がカワズザクラとカンヒザクラの土入れを行いました


(山田 耕太)