キャンパス日誌
【学生レポート】コーヒー×留学×ビジネス 好きなことから見つけた私の未来
敬和学園大学は好きなことを自由に学べるリベラルアーツ教育で、学生それぞれの価値観を育てています。
在学中、大好きなコーヒーをきっかけにアメリカへ留学し、ビジネスの糸口へと結びつけた駒沢優さん(英語文化コミュニケーション学科4年)からのレポートをお届けします。
私は大学4年生の5月から12月まで、学業や就職活動と並行しながら、村上市で「間借りカフェ」を経営していました。卒業を迎える今、この経験を振り返ってみたいと思います。
私はとにかくコーヒーが好きで、大学入学と同時に始めたコーヒーチェーンでのアルバイトが毎日の楽しみでした。
経営に興味を持ったのはアルバイトを始めて2年たったころ、店舗の時間帯責任者になってみないかと店長から提案をされたことがきっかけです。時間帯責任者は店長の不在時のリーダーのことで、従業員たちのポジション配置や売上金の計算などを行う、かなり重要な職務です。時間帯責任者の仕事は学業との両立が非常に大変でしたが、徐々にやりがいを感じるようになっていきました。
「シアトル系コーヒー」で有名なアメリカ・シアトルでビジネスを学びたいと、海外留学を決めたのもこのころです。英語やビジネスを学んだシアトル留学はいい意味で刺激的な毎日でした。しかし、留学の終盤、世界中で新型コロナウイルスが流行し始め、緊急帰国を余儀なくされました。
新型コロナウイルスのまん延により、飲食業は甚大な打撃を受けました。それは私の叔母が経営する村上市の旅館も同様でした。客足が遠のく中、叔母は感染対策のパーテーション設置やテイクアウトに力を入れるなどさまざまな取り組みをしていました。そんな中、授業も就職活動もすべてがオンラインに切り替わり、私は時間を持て余していました。そこで叔母と話し合い、街の活気を取り戻すために、旅館の飲食スペースを借りて営業する「間借りカフェ」を開くことにしました。
しかし経営の経験もなければ、開業など初めてのことで、最初は戸惑いました。そこで最初の一週間は、無料でコーヒーを配るところから始めました。インスタントや出来合いではない、ハンドドリップで抽出したコーヒーのおいしさを知ってもらおうと考えたからです。うれしいことに会計時にコーヒーの感想をくださるお客さまもいて、この取り組みは無駄ではないと感じることができました。
そして、この間借りカフェのコンセプトである「外出ついでの道草でおいしいコーヒーでほっとしていただく」から店名を「michikusa coffee stand」と名づけ、2020年5月に正式にオープンさせました。
オープンしてからはよりよいお店にするために、とにかくいろいろなことに取り組みました。新潟市のロースター(豆を焙煎できるコーヒースタンド)でブレンド豆を焙煎したり、コーヒーに合わせるお菓子作りをしたりしました。
その中でも最も助けになったのが、大学での授業でした。当時履修していた「ビジネス英語」では自分でビジネスを始めるという課題があり、Webサイトの立ち上げからSNSの構築、チラシやメニュー作りまで学べる授業でした。課題で作成した成果物をそのままビジネスに生かすことができたのがよかったです。
その甲斐もあり、SNSを通じてお店を知ってくださったお客さまにたくさん来店していただけたり、英語版Webページをご覧になった日本在住の外国人のお客さまにも来店していただくことができました。
カフェの運営にあたっては、さまざまな方からアドバイスをいただきました。そして関わってくださったすべての方が激励してくださいました。当初は売り上げが伸びず悩んだ時期もありましたが、そんな時、周りには頼れる大人たちがいました。皆さんへの感謝の気持ちと同時に、私もそんな大人になりたいと強く思いました。
2020年12月末をもってカフェは閉店しましたが、この活動で学んだことは一生忘れることはないでしょう。
私は敬和学園大学卒業後、東京にあるコーヒーチェーンの店長職に就きます。学生時代の経験を存分に生かして、皆さんに活躍をお見せできるようにがんばります。
(英語文化コミュニケーション学科4年 駒沢優)