チャペルのひびき

真偽を見分ける力を養うために

チャペル・アワーは、田村敏紀先生(日本基督教団新津教会牧師)が説教を担当くださいました。奇しくも前週の益谷真先生と同じヨハネ福音書8章の、「真理はあなたたちを自由にする」との聖句を基にお話しくださいました。束縛のない自由に憧れつつ、行き当たりばったりの人生を送っておられた青年期、火葬場の煙を見て、人生の短さを悟った先生は、大学で学ぶことを決意され、教師となられたとのこと。さらに、キリスト教の福音との出合いが、先生を教会の牧師として神と人とに仕える道へと導かれたことを語られました。若いころに憧れた奔放で自由な人生とは異なるも、先生のたどって来られた道は、世間の価値観から解き放たれた(自由にされた)、豊かな道であったことをお伝えくださったように思います。アッセンブリ・アワーでは、松永堡智先生(日本同盟基督教団・新津福音教会牧師)が、カルト宗教の特質について、またその巧妙な勧誘の手口からいかに身を守るべきか、ご丁寧にご伝授くださいました。マインドコントロール(洗脳)の手法により、人の心を偽りの言葉によってがんじがらめにしてしまうカルト宗教に対し、まことの宗教が唱える真理は(それが仏教であれ、キリスト教であれ)、人の心をがんじがらめにするもろもろの縛りから自由にするものです。真の宗教と偽りの宗教の違いは、そこにあるのでしょう。でも実際には、ことの真偽を見分けることは、本当に難しいこと。リベラルアーツの学びが、その力を養ってくれることを望みます。(下田尾 治郎)

Ⅰ.チャペル・アワー 
説教 「自由に生きる」 日本基督教団新津教会 牧師 田村 敏紀 先生

Ⅱ.アッセンブリ・アワー
講話 「偽預言者たちに用心」 日本同盟基督教団新津福音教会 牧師 松永堡智 先生 

<参加学生の感想>
感想1) チャペル・アワーにて田村先生のお話を聞き、始めは自由とは何だろうと考えた。先生が語られたように、自らを縛るものがなく、行いをとがめる人も、褒める人もいないことは、本当に自由というのだろうかと思った。また、学歴や収入によって与えられたり、奪われたりする自由は、とても自由というには条件的であるように感じた。今回の講義で、田村先生の口から「自由とは~である」というようなことは述べられなかったが、先生自身がそうであったように、私自身も自由というものについて考え続けることが大切なのではないかと感じた。そして、自由を追求する際に、アッセンブリ・アワーで松永先生が言われたように「ウソ」を見抜く力が私たちには必要だと感じた。特に今回の講義で取り上げられたカルト宗教や偽預言者から自分の自由を守るためにも、今後のチャペル・アッセンブリ・アワーとキリスト教学での学習に励もうと思った。
感想2) 自由であっても、自由に生きることは難しいという壁がある中で、田村先生は自ら勉強をして、自分のやりたいことを見つけ、キリスト教と出合い、自由に生きることとは何かを見いだす経験談を聞くことができてよかった。また、今の自分と重ねて考えることができた。今も昔も嘘の情報を見分ける力が必要で、キリスト教にも偽預言者に関する項目があることを知った。モーセの十戒は言葉しか知らなかったので、ぜひ聖書を読んでみようと思った。ニュースで初めて旧統一教会の存在を知ったが、宗教活動自体を隠すことで、宗教の自由や自己決定権を侵害したり、犯罪的な活動や嘘をつくことを正しいこととみなしてしまうという問題が挙げられることも初めて知ることができた。カルトにはまらないように対策していこうと思った。