チャペルのひびき

傷や痛みを、喜びへと変えてくださる方 

近伸之先生(日本同盟基督教団 豊栄キリスト教会牧師)がチャペル・アワーの説教をご担当くださいました。先生は、ヨハネ福音書のテキストをもとに、ご自身のご経験を踏まえてお話しくださいました。生まれつき目の見えない人を目にした主イエスの弟子たちは、この人のこのような境遇は、本人の、あるいは両親の罪ゆえかと問いかけました。イエスは、そのいずれでもなく、「神の栄光が現れるためである」と語られ、その人を癒されます。耐え難い境遇やできごとの原因を過去に求めるのではなく、救いの喜びが明らかにされる将来の光のもとでみることの大切さをイエスは説かれたのです。「あの時の苦しみは、今日の日のためであったのか」との喜びに満ち溢れる日が必ず到来すること、主イエスとの出会いこそが、その喜びを人生にもたらすことを近先生は教えてくださいました。アッセンブリ・アワーでは、その奇跡が、家族のレベルでも起こりうることを、伊藤知明先生(本学非常勤講師)が、ご一族に関わるお話しを通してお伝えくださいました。ハワイ留学をきっかけに、伊藤先生は、ハワイに渡られたと聞かされていたご先祖の一人、二三(にぞう)さんの消息(ハワイでの再婚の事実)について知らされます。先生に待っていたことは、しかし、この事実を知ることだけには終わりませんでした。二三さんの再婚によって生まれた家族と、最初の結婚に連なる日本のご家族(伊藤先生もその一人)の喜びに溢れた出会い(和解)がその後に待っていたのでした。家族の歴史の中で起こってしまった傷と悲しみ。けれども、その過去の傷や悲しみを、将来の喜びのできごとの種としてくださる方が確かにおられることを覚えることができました。(下田尾 治郎)

Ⅰ.チャペル・アワー 
説教 「神の業が現れるために」 日本同盟基督教団 豊栄キリスト教会牧師 近伸之 先生

Ⅱ.アッセンブリ・アワー
講話 「ハワイの家族」 非常勤講師 伊藤知明 先生

<参加学生の感想>
感想1) 今苦しいと思っていることでも後で思い返してみると「あれがあったから良かった」と思えるようになる。私はこの言葉が一番印象に残りました。現在苦しいと思っていることを「良かった」と思えるのはその先の自分の生き方で決まってくると考えています。過去を踏まえて未来を変えようとすることができれば「良かった」になるのだと思います。そのような生き方ができるような人間になりたいと考えました。聖書はとても古い書物ですが、今の私たちを助けてくれる書物なのだと再確認しました。人生には偶然はない、出会った人全てに神の考えがあるという言葉を聞いて気づきました。私が成長するために必要な人たちと出会わせてくれたことに感謝しながら生活していきたいと思います。
感想2) 今日の近先生のお話の中の「あなたの身にふりかかったトラブルや悪いことは神の業が現れるためだ」というお言葉が印象に残りました。私は不登校だった過去があります。私は不登校になった自分を責めました。自分の心が弱いからこうなってしまったんだと思いました。しかし、今回のお話でそう考えなくていいことが分かりました。私が不登校になったのは私が何か悪かったからではなく、神の栄光が現れるとまでは言わなくとも何か良い方向を向くためだったのではないかと思えました。そして、きっとこれから起こるトラブル、悪いことも同じように自分が悪かったんだと考えなくていいんだと希望を持つことができました。