チャペルのひびき

実りの時を待ちつつ、今を生きること

チャペル・アワーは、金耿昊先生(国際文化学科 准教授)がご担当くださいました。先生は、この日が日本近現代史にとって特別な意義を持つ日(日本国憲法発布の日であると共に、明治天皇の誕生日)であることを教えてくださった後、マタイ福音書6章に記された主イエスの言葉から、メッセージを語ってくださいました。将来のことを考えると不安にさいなまれ、時にはうずくまってしまう私たち。しかし主イエスは、「明日のことまで思い悩むな。明日のことは明日自らが思い悩む。その日の苦労は、その日だけで十分である」と言われるのです。この言葉に聞き取るべきは、神さまの私たちに向けられた愛に対して信頼しつつ、今なすべきことに精魂込めて取り組みながら、実りの時を忍耐強く待つことである、と金先生はお伝えくださいました。アッセンブリ・アワーは、海外研修・留学を経験した学生たちによる報告の時として持たれました。オーストラリア、中国、ドイツでの学びや滞在で得た貴重な経験を分かち合ってくださった学生の皆さんに感謝いたします。異文化の中に身を置くことや、異国の人々との触れ合いをとおして、日本人としての自分や日本社会の特質について知ることができるのだということを、改めて覚えることができました。このような学びの機会が一人でも多くの方に備えられますよう、祈り願います。(下田尾 治郎) 

Ⅰ.チャペル・アワー 
説教 「思いわずらわず、みのりの時を待つ」 准教授 金耿昊 先生  

Ⅱ.アッセンブリ・アワー
「留学および海外研修報告会」 

<参加学生の感想>
感想1) 今回のチャペル・アワーで印象に残ったことは、今日何を食べるかや明日のことを思い悩むのではなく、今、目の前にあることを全うするということである。金先生のようにこれまでの自分を振り返ってみると、いつも先のことばかりを心配して、不安になっていた。そして、見えない未来のことばかりに気を取られて目先のことがおろそかになっていることに気がついた。しかし、金先生の「思い悩み過ぎずに実りの時を待つ」という言葉を聞いて、自分も先のことばかりを思い悩まずに、目の前のことに集中して、焦らずに実りの時を待ちたいと思った。
感想2) 明日、将来のことは将来の自分に任せて、今の神と対話をする。これは私にとって本当に難しいことです。明日起こるかもしれない問題について考えてしまい、夢にまで見てしまいます。私は今回の説教を聞いて、今までの私は「今を生きていないし、神とも対話していない」ということに気がつきました。花や鳥ですら命を保っている。これらは明日のことを考えて眠れなくなるということがありません。未来のことを思い過ぎて今を見ていない私と今を生きている鳥や花。私も鳥や花のように今に目を向けて神に委ね、感謝する人となりたいです。
感想3) 海外研修・留学の発表が行われましたが、発表者の皆さん全員の生き生きと話されている姿が印象的でした。本当に行ってみないと分からないような体験がそこにはあると思います。よく、人生観が変わるとは聞きますが、そこにいくまでの最初の決断、準備、決行という過程の一つひとつが大きな試練です。それを自らで考えて、向き合って、乗り越えるからこそ、人としての厚みが増して、社会問題への姿勢や視点が新しいものになっていくのかなと考えました。死ぬまでに1度は経験してみたいです。