チャペルのひびき

平和構築の学びとしての敬和教育

チャペル・アワーのメッセージは、日本基督教団の牧師であり、敬和学園大学学生寮(向山寮)の寮監をしてくださっておられる菊地恵美香先生がご担当くださいました。私たちは、往々にして、同質な者同士で集団を構成し、異質な存在を排除してしまいます。けれども、異質な存在をとおしてこそ、私たちは初めて自分を知ることができ、人として成長することができるのだということを、寮監として、学生たちと共に民主的な自治寮を作ろうとされているご経験を踏まえながら、お伝えくださいました。自分とは異なる価値観やバックグラウンドを持った他者と忍耐強く関わりを持ち続けてゆくこと、また自分の主張を表明しつつ、他者の言葉に耳を傾けながら、合意形成をはかってゆくこと。それこそが民主的な社会形成の基本であり、ひいては平和を構築してゆくことでもあることを、先生は教えてくださいました。本学のキリスト教教育、リベラルアーツ教育の目的の一つもそこにあります。引き続くアッセンブリ・アワーでは、本学契約講師のフィル先生が、7つのものに象徴されるご自身のライフストーリーをご紹介くださいました。才能あふれる少年だった先生ですが、お母さまの過大なご期待に応えることに限界を感じ、次第に大きく道を踏み外してゆきます。自暴自棄な生き方をしていた青年時代のある時、自分に向けられる肯定的な眼差しに出会い、たった一度しかない自分の人生を歩み直そうと決意されます。その延長線上に本学におけるフィル先生がおられるのですね。人生はやり直すことができ、人は変わることができるのだということを強く覚えることのできた時間でした。(下田尾 治郎) 

Ⅰ.チャペル・アワー 
説教 「異質なものとの出会い」  敬和学園大学学生寮(向山寮)寮監 菊地恵美香 先生

Ⅱ.アッセンブリ・アワー
講話 「中毒からホームレスになるまで、私は誰?“人生を物語る7つの持ち物”」  講師 フィリップ・ウィン 先生
  

<参加学生の感想>
感想1) チャペル・アワーでは、人との対話を諦めなければ平和となる、ということが心に残りました。自分と考えが違う人とは、分かり合うことができないとつい、思い込んでしまうけれども、対話をして、お互いに理解し合うことで、変わることもあるのだと分かりました。また、他者を知ることは、自分自身を知ることにつながるのだと分かりました。アッセンブリ・アワーでは、人は絶望的な状況に陥ったとしても、一つの転機によって、人生を変えることができるのだと思いました。人生を変えるには、出会いと挑戦、また、自分自身を変えるのを諦めないことが重要であると分かりました。人生は限りがあるので、なりたい自分になれるように、出会いや挑戦を大切にしていきたいです。
感想2) フィル先生はいつも明るくて前向きで音楽が好きな先生というイメージでしたが、今日のお話を聞いて先生にもつらい過去や経験がたくさんありそれを乗り越えてきたから今とても充実した人生を送れているのだと思いました。現実逃避をするためにお酒や、麻薬、犯罪などあらゆることに手を出してしまう人もいて、自分自身も今後の人生の中で何が起こるか分かりませんし、どん底に突き落とされるかもしれませんが、それでも自分のやりたいことに挑戦してチャレンジし続けていればいつか報われるのではないかと思えました。やりたいことは全てやるくらいの勢いで人生を歩んでいきたいです。