学長室だより
卒業生の記憶に残るもの
朝夕大空を飛び、田んぼで餌をついばむ白鳥の姿が見られる時期となりました。先日キリスト教学校教育同盟の会議の講演で、「キリスト教学校の記憶に何を残すか。卒業生の記憶に何を残すか」という問いが話題に上がりました。難しい問いです。残したい大学側の思いと受け取る側の卒業生の感じ方が必ずしも一致するとは限りません。敬和学園大学の場合はどうでしょう?私は何か立派な理念というよりは、日々のキャンパスで、図書館やピロティ、ゼミ教室で、中庭や掃き清められた廊下で感じられる空気感のようなもの、私も受け入れられていると感じられる温かさや真実を求める静かな佇まいが記憶として残るといいと考えています。10月下旬の敬和祭では、同窓会企画として第1部シンポジウム「戦後80年:加納実紀代さんの平和を作るためのジェンダーの視点」(発表:松本ますみ先生、平塚博子先生)と、夜には第2部懇親会がもたれました。たくさんの卒業生が参加してくださり、旧交を温めました。ゼミで世界が開かれたという卒業生もいましたし、教会につながった卒業生もいました。退職された先生が、「気障に聞こえるかもしれないけれど、私たちは敬和学園大学のことを愛しています」と語ってくださいました。会がお開きになったころに遅れてやって来たある卒業生が、「○○先生のゼミは楽しかったな」と言ったその声が今でも耳に焼き付いています。それは「愛している」と語られた先生のゼミでした。卒業後に何が残るかは分からないけれど、ゼミの語源は「種」。大学内の対話や講義、読書や活動など、さまざまな形で蒔かれた種が豊かな実へと育つには耕された土壌が必要です。自分の心の畑を耕すこと(cultivate)が、文化(culture)を生み出していきます。学園全体が硬くなってしまった土地ではなく、ミミズもたくさんいる豊かな苗床でありたいと思います。(金山 愛子)

「第1部シンポジウム」金山学長と前列右から2番目・平塚先生、上中央・松本先生

「第2部懇親会」卒業生と一緒に撮影

「第2部懇親会」卒業生と談笑

「第2部懇親会」参加者全員で撮影










