人の初子を犠牲として献げたモレクの祭儀
パレスチナには、人の初子をモレクに献げる儀礼が存在していました。アブラハムのドラマは、結果的に人身御供をモレクに献げる儀礼への批判という意図を帯びています。異教と同じ犠牲を命じた神の意図ははかり難いも...
パレスチナには、人の初子をモレクに献げる儀礼が存在していました。アブラハムのドラマは、結果的に人身御供をモレクに献げる儀礼への批判という意図を帯びています。異教と同じ犠牲を命じた神の意図ははかり難いも...
初子については、独り子イサクを焼き尽くす献げ物として献げよと神がアブラハムに命じたドラマを避けて通ることはできません。常軌を逸した命令であることは明らかです(創世記22章2節)。人の初子は、犠牲として...
初子として母の胎から生まれた女子については、特別な規定がありません。長子(男性)には相続上の特権があり(創世記25章27節~34節)、父の財産を相続するとき、長子は弟たちの二倍を受け継ぐことになってい...
初めて胎を開く初子は特別視されていました。家畜の初子(男性名詞のみ)について、雄と明記せず一般的に規定しているものもありますが(出エジプト記22章28節~29節、民数記18章15節~18節)、雄だけが...
犠牲を捧げる伝統はどの世界にもみられます。初子を神に捧げるという儀礼は、古代イスラエルにも存在していました。 申命記には「あなたの牛の群れや小家畜の群れで生まれたすべての雄の初子を、あなたはあなたの神...
肉食の世俗化に続いて、食物規定(申命記14章3節~21節前半)を取り上げてきましたが、「あなたは子山羊をその母親の乳で煮て〔食べて〕はならない」(14章21節後半・私訳)という禁令がすぐ後に続きます。...
食物リスト(申命記14章3節~21節)は、末尾で「羽があって群棲するもの」(19節)に触れています。これら昆虫類については、ほとんどが穢(けが)れたものとされていますが、「すべて清い羽のあるもの」(2...
食べてもよいものと、忌み嫌うべきもののリスト(申命記14章3節~21節等)は、動物の他に水の中にすむもの、魚類にも触れています。 食べてもよいのは、すべてひれと鱗があるもの(9節)で、ひれと鱗がないも...
血のしたたる牛肉を退け、血抜きの処理をしてから食べる慣習は現在でもユダヤ人社会で守られています。アメリカのスーパー等では、正しく処理した牛肉の売り場が特設されています。モーセの戒めを2千年以上も守って...
人の血が大地に流されると、呪いが到来したと人々が思ったのは(創世記4章10節、申命記21章1節~9節)、血がいのちであるという前提があったからです。この理解は、人間だけでなく家畜にも当てはまりました(...