チャペルのひびき

戦争で亡くなられた方々を再び殺さないために

アッセンブリ・アワーは、「Keiwa Peace Project ~祈り・つながり・希望~」(KPP)の発表の時として持たれました。メンバーの皆さんは、夏期に参加された2つの平和学習での学びを豊かに分かち合ってくださいました。オンラインで参加した広島女学院大学主催の平和学習の報告をとおしては、原爆投下により全てのものが一瞬のうちに灰じんに帰した広島の甚大な被害を覚えつつも、日本が遂行した戦争の加害の視点を忘れてはならないことを改めて心に刻むことができました。沖縄キリスト教学院大学主催のプログラムに、野間光顕先生のご尽力により参加された若月美羽さんの報告からは、本土決戦の準備のための捨て石とされた沖縄の人々が味わった想像を絶する苦もんについて知らされました。戦争で亡くなられた方々を再び殺さないために私たちのできること。それは、その方々の痛ましい死を(また尊い生涯ももちろんのこと)心にとどめ続けてゆくこと(記憶し続けてゆくこと)、そしてそのことをとおして平和の尊さを訴え続けてゆくことであることを若月さんは伝えてくださいました。アッセンブリ・アワーに先立つチャペル・アワーでは、私たちに「限られた命」を与えてくださったことの中に込められた神さまの深い思いについて、絵本『100万回生きたねこ』に触れながら、学びました。(下田尾 治郎) 

Ⅰ.チャペル・アワー 
説教 「限りあるいのちの恵み」 宗教部長 下田尾治郎 先生  

Ⅱ.アッセンブリ・アワー
平和学習プログラム活動報告

<参加学生の感想>
感想1) 「100万回生きたねこ」は昔よく読んだ本です。どうして最後猫は生き返らなかったのか、と当時は疑問に思っていましたが、それは猫が最期の最後に本当に愛した猫が現れ、生きる意味を見つけたからなのかなと解釈しました。Keiwa Peace Projectの発表では、人間の死は2度ある、という言葉が印象に残りました。原爆はその人だけでなく、その人を知っている親族の命も一瞬で奪ってしまったのだと改めて気づかされました。沖縄戦でも自分と同じ年代の人たちがたくさん亡くなっていることを知りました。当時のことを記憶している人はどんどん少なくなっており、いずれ生の証言を聞くことができなくなる日が訪れます。知る努力をすることが本当に大切だと思いました。
感想2) 今回の発表をとおして、改めていかに戦争が悲惨なものなのか、なぜ戦争をしてはいけないのかを理解することができました。第二次世界大戦にて原子爆弾を落とされた広島と今でも米軍基地が存在する沖縄を中心に戦争というものはどういうものなのかについて学んでいきました。私たちの世代が世界規模の戦争を経験してきた世代の話を直接聞ける最後の世代であると説明されていましたが、そんな私たちだからこそ、そのような方たちと交流するべきだと思いました。なぜなら、日本は台湾有事という国際的な規模の戦争の引き金によって他国との戦争に巻き込まれる可能性が極めて高いからです。私は戦争は百害あって一利なしだと思っています。だからこそ、戦争を回避して平和的解決を目指していくことが大切だと思います。