学長室だより

台湾で映像制作~海外メディア事情

「海外メディア事情(海外研修)」の授業で、2月に台湾で取材活動をされた一戸信哉教授と神田さん、小杉さん、宮澤さんが代表して訪ねてくださり、取材旅行の模様や映像制作の裏技など話してくれました。研修のテーマは、台湾で「日本統治時代の痕跡を探す」と「楽しいものを探す」だったそうです。映像に撮った場所はさまざまですが、歴史的なことをよく調査していて感心しました。「旗後砲台」(高雄)がレンガや石やコンクリートでつぎはぎされた理由、バシー海峡で撃沈された玉津丸から生還した方が戦友の慰霊のために建てた「潮音寺」(高雄)、日本のラジオ塔の残る「ニニ八和平公園」(台北)など、掘れば掘るほど、いろいろなつながりが見出せます。ナレーションを飼いネコにお願いしてポップに仕上げた作品では、センシティブな歴史問題はあるけれど、内容が重たくならないように心がけたそうで、分かりやすく楽しめる工夫がされていました。「20年前までは文章力を、10年前はプレゼンテーション力を、今は動画をつくる力がリベラルアーツなのだそうです。一戸先生が先駆的にされていました。賞も多くお取りになって大変な貢献だと思います」とおっしゃっていたのは本学元教授の松本ますみ先生。誰でも映像を撮って公開できる時代だからこそ、調査に裏付けられた作品を作る意味は大きいです。何を選ぶか、どう見せるかに作者の考えや価値観が反映されますね。Alにナレーションを任せる場合の調整方法や、ネコの表情を変えるのも実は手間がかかるのだとか、映像制作の奥深さを教えてもらいました。中国語で台湾の方々とやりとりできたり、楽しいものもたくさん見つけて、充実したサービスラーニングとなったようです。楽しそうに話す4人からおいしいお土産をいただいたような満足感に、私も浸りました。(金山 愛子)

台湾でのさまざまな経験を話してくれました

台湾でのさまざまな経験を話してくれました