キャンパス日誌

2022年度 国際文化学科卒業論文・卒業制作発表会を開催しました

国際文化学科の卒業論文・卒業制作発表会を開催しました。
この発表会は4年間の演習の成果を発表し、来場者からのフィードバックを得る機会となっています。これまでは卒業論文のみが対象となっていましたが、本年度から映像などの卒業制作もあわせて発表することになりました。

「がんばりました」卒業論文・卒業制作発表会

「がんばりました」卒業論文・卒業制作発表会

 

今年は、卒業論文・卒業制作を提出した学生のうち10名がその成果を報告してくれました。
例年よりも人数が多く、はじめて会場を2つに分け、並行開催としました。会場ごとに発表の概要をお届けします。

<卒業制作発表(S21教室)>

山田夏実さんは、「宮古島の人々を救った越後人:中村十作」というテーマで映像を制作しました。明治時代、琉球王朝時代から宮古島に残された過酷な税制度「人頭税」の廃止のために奮闘した新潟県出身の人物中村十作さんについて、上越市での取材を踏まえた映像です。この作品は、令和4年度新潟県自作映像・視聴覚教材コンクールで優秀賞を受賞しました。

山田夏実さん「宮古島の人々を救った越後人:中村十作」(一戸信哉 教授)

山田夏実さん「宮古島の人々を救った越後人:中村十作」(一戸信哉 教授)

 

田村千尋さんは、「沖縄を救った日系人 – 比嘉太郎」というテーマで映像を制作しました。沖縄にルーツを持つハワイ生まれの日系二世比嘉太郎さんが、沖縄救済運動のために努力した経緯について、沖縄での「比嘉太郎会」関係者へのインタビューを中心に作品化したものです。この作品は、「東京ビデオフェスティバル2023」でTVFアワード37作品に選ばれました。

田村千尋さん「沖縄を救った日系人 - 比嘉太郎」(一戸信哉 教授)

田村千尋さん「沖縄を救った日系人 – 比嘉太郎」(一戸信哉 教授)

 

涌井信行さんは、「私の生まれ故郷沖縄と移民」というテーマで映像を制作しました。自身の沖縄とのつながりから着想を得て、「沖縄移民の父」と呼ばれる當山久三を中心に、沖縄からの移民の背景をさぐり、さらに、首都圏で多くの沖縄出身者が移り住んだ横浜市鶴見区を訪ねて、沖縄県人会関係者にインタビューを行っています。

涌井信行さん「私の生まれ故郷沖縄と移民」(一戸信哉 教授)

涌井信行さん「私の生まれ故郷沖縄と移民」(一戸信哉 教授)

 

施夢嬌さんは、「蕗谷虹児と魯迅」というテーマで映像を制作しました。新発田市内にある蕗谷虹児記念館で発見した、北京の北京魯迅博物館との手紙のやり取りをきっかけに、蕗谷虹児と魯迅の生涯をたどり、魯迅が蕗谷虹児の作品に注目して、中国で出版していた理由に迫りました。

施夢嬌さん「蕗谷虹児と魯迅」(一戸信哉 教授)

施夢嬌さん「蕗谷虹児と魯迅」(一戸信哉 教授)

 

<卒業論文発表(S23教室)>

大堀湧さんは、「ポップカルチャーコンテンツと宗教 マンガ・アニメから紐解く日本の宗教観」というテーマで、アニメ・マンガのようなポップカルチャーコンテンツの中に登場する仏教・神道・キリスト教のモチーフと、日本社会との関係について発表しました。

大堀湧さん「ポップカルチャーコンテンツと宗教 マンガ・アニメから紐解く日本の宗教観」(松本淳 准教授)

大堀湧さん「ポップカルチャーコンテンツと宗教 マンガ・アニメから紐解く日本の宗教観」(松本淳 准教授)

 

五十嵐達輝さんは、「特撮と玩具の関係性を読み解く」というテーマで、仮面ライダー・ウルトラマンといった特撮ヒーローの歴史をひもときながら、それらの玩具がどのような発展を遂げていったのか、社会の変化との関係をヒントに分析を行いました。

五十嵐達輝さん「特撮と玩具の関係性を読み解く」(松本淳 准教授)

五十嵐達輝さん「特撮と玩具の関係性を読み解く」(松本淳 准教授)

 

佐藤拓巳さんは、「同人誌即売会の魅力と影響」というテーマで、コミックマーケットや新潟で開催されているガタケットといったイベントでのアンケート調査やインタビュー取材について報告し、商業誌とは異なるその特徴や意義について発表しました。

佐藤拓巳さん「同人誌即売会の魅力と影響」(松本淳 准教授)

佐藤拓巳さん「同人誌即売会の魅力と影響」(松本淳 准教授)

 

伊藤祐吏さんは、「中山間地域が抱える諸問題と農業について」というテーマで、人口減少や高齢化が続く中にあって、農業による自給率の維持向上や災害抑止の役割も期待されている中山間地域が抱える課題を明らかにし、どのように解決していくかについて発表しました。

伊藤祐吏さん「中山間地域が抱える諸問題と農業について」(富川尚 教授)

伊藤祐吏さん「中山間地域が抱える諸問題と農業について」(富川尚 教授)

 

渡邊心暖さんは、「ルワンダ・ジェノサイド」というテーマで、ルワンダ虐殺が発生した歴史的経緯や、どうすれば悲劇は避けられたかについて発表しました。

渡邊心暖さん「ルワンダ・ジェノサイド」(丸畠宏太 教授)

渡邊心暖さん「ルワンダ・ジェノサイド」(丸畠宏太 教授)

 

前田悠斗さんは、「ジェノサイドと民衆」というテーマで、1つ前の渡邊さんの発表も踏まえつつ、なぜ民衆は虐殺行為に対して見て見ぬ振りをしたり、荷担してしまったりするのか、そのメカニズムについて発表しました。

前田悠斗さん「ジェノサイドと民衆」(富川尚 教授)

前田悠斗さん「ジェノサイドと民衆」(富川尚 教授)

* 写真キャプション、()内は指導教員

 

発表20分、質疑応答10分という一般的な学会発表と同じフォーマットに沿って進行した発表会。発表した学生たちには、熱心な質問やコメントが寄せられ、最後は大きな拍手が送られました。(国際文化学科准教授 松本淳)

卒業論文・卒業制作発表学生と指導教員と一緒に

卒業論文・卒業制作発表学生と指導教員と一緒に

#敬和学園大学
#国際文化学科
#一戸信哉
#丸畠宏太
#富川尚
#松本淳