学長室だより
There is a silver lining behind every cloud.
暑くて長い夏をいかがお過ごしでしたか?長期休暇中に、普段できないことに取り組む学生もいました。中国、アメリカ、オーストラリア、ドイツへの留学や研修などに13人の学生が参加し、北海道や飛島(酒田市)、沖縄でのサービスラーニング活動に取り組んだ学生たちもいます。地元では、聖籠町の小学生対象のわんぱくキャンプに8人の学生がボランティアとして参加し、沢登りなどにも初挑戦したようです。さまざまな夏の景色があったことと思います。
9月19日には前期卒業式を挙行し、11人の卒業生に学位を授与しました。2019年後期に入学された学生が多く、この学年は翌年すぐに新型コロナウイルス感染症のために緊急事態宣言が発出され、新学期早々に大学閉鎖の期間を経験し、制限の多い学生生活を送りました。しかしそれぞれの悩みや困難を乗り越えて学びを修了した11人が、晴れて卒業されたことをとても喜ばしく思いました。グローバル化による多文化共生時代を担っていく彼ら彼女らに、多角的な視点から物事を考えること、問いを持ち納得のいくまで突き詰めて考えること、隣人を愛することという3つの観点から敬和学園大学の教育を振り返ってはなむけの言葉とし、下田尾宗教部長や出席の教職員と共に、一人ひとりの上に神の格別な祝福を祈りました。
卒業生の中には5人の留学生がいましたが、3年以上家に帰ることのできなかった人、いったん帰国すると日本への再入国が難しかった人もいて、留学生には日本人学生以上の困難がありました。卒業を祝いに来た日本人学生を見て、自分のアメリカ留学時代を思い出しました。夕方に学食から外に出ると、灰色の雲の後ろから日が射していました。「Aiko, “There is a silver lining behind every cloud.”という言葉知ってる?」と言って意味(どんなに厳しい状況でも希望(良い面)はあるの意)を教えてくれたマーガレットは、音楽専攻の学生でしたが、リベラルアーツの大学でしたので専攻関係なく仲良くしてもらっていました(私が大変そうだったから教えてくれたのかな?)。本学でも日本人学生と留学生がもっと仲良くなることを願っています。言葉や文化が違っても人と人として心を通わせる時に、日本で学んだ留学生や、留学生と仲良くなった日本人学生、留学や海外での生活を経験した学生が平和の輪を広げていってくれるのではないかと思います。
本日から後期授業が始まります。学生たちには、目標と好奇心を持ってさまざまな学びと挑戦をしてもらいたいと思います。(金山 愛子)