誰かのために生きる(3代目学長 鈴木佳秀)

母の日、父の日を覚えて[2009-06-12]

両親を大切にすることは普遍的で、当たり前に守るべき人の道かもしれない。だが子殺し、親殺しが頻発する時代にわれわれは生きている。親とは何であろうか。古い時代から、両親を敬う心が日本の美風であった。聖書の世界でも同じである。モーセの十戒には、両親について「あなたはあなたの父と母を重んじなさい」(申命記5章16節〔私訳〕)とある。「重んじなさい」の原語は「敬いなさい」とも訳しうるが、もとの動詞が「重くある」(カーベード)で、その名詞形は「栄光」(カーボード)という意味である。
聖書であるなら、「あなたの父と母を愛しなさい」であっても不思議ではない。本文には理由付けが付されており、「あなた」が生き長らえ、「あなたに」祝福が臨むためであるという。重い「あなた」の命の継承が前提となっている。命の誕生において創造者なる神との出会いが求められるため、その栄光を媒介する父と母を重んじることを強調するのである。
肯定命令であるのは、禁止命令のようにあることを避ければ済むという戒めでないからである。自分の生は父と母に由来するので、命の源である神を重んじるのと同じように、生活の中で父と母を重んじなさいというのである。(鈴木 佳秀)

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