学長室だより

里の秋~「ここにいるだけでよいです」

聖籠町にはたくさんの果樹園があります。同僚に教えてもらった果樹園の一つでぶどうを買いました。「もうシャインしかないんですよ」とおっしゃる笑顔のすてきな女性の日焼けした顔に、長くて暑かった夏のご苦労を思いました。そのぶどうの甘いこと!スーパーでは手が出ない値がついていますが、新鮮で品質に間違いなし、しかもお手頃です。先週チャペル・アッセンブリ・アワーでお話しくださった先生方にお土産に差し上げました。その日、新発田教会の新保恵子牧師が選ばれた聖句はなんと、「わたしはぶどうの木、あなたがたはその枝である」(ヨハネ15:5)でした。主イエスにつながっている枝はよい実を結ぶと言います。私たちにも、聖籠町のぶどうのようなよい実を結ぶことができる可能性に励まされました。その新保先生からお手紙で白鳥の飛来を教えていただきました。先日来白鳥の声が聞こえています。声の主を探しますが、広い青空にその姿を認めることはなかなかできません。数年前のゼミで深まる秋に、グリムの「6羽の白鳥」とアンデルセンの「野の白鳥」を合わせて読んだことを思い出しています。

地域学での会社見学(聖籠町、高橋巨峰園、2018年10月撮影)

地域学での会社見学(聖籠町、高橋巨峰園、2018年10月撮影)

今年も白鳥の声が聞こえてきました

今年も白鳥の声が聞こえてきました


 

今学期から授業に出るのが難しい学生を対象に、「学びの継続プログラム」として農業体験とオンラインコミュニティーを提供しています。授業に出られなくても、大学とつながっていてほしいという教員たちの願いから始まったものです。二王子岳のふもと上三光での農業体験に参加した学生が、護岸工事をしていないきれいな小川や、よく手入れされた田んぼ、銀杏林のある風景に身を置いて、自然の豊かさと田舎ならではの自由を感じ、「ここにいるだけでよいです」と話したと聞きました。里山はこんなにも人の心を解放するものなのかと感動しました。都会では何でも手に入りますが、こんなに美しい自然を身近に感じることはできません。この里山の魅力を生かし、環境保全の問題にも大学として取り組んでいく方法を探しています。

今週末は「敬和祭」が催されます。全て学生の企画によるもので、彼らが今一生懸命に取り組んでいるものや楽しんでいるものが披露されると思います。お笑い芸人さんもお招きしたそうです。お近くでしたら、ぜひお越しください。(金山 愛子)