学長室だより

ご卒業おめでとうございます

卒業式を挙行しました。敬和学園大学創立30周年にあたる2020年春に入学した新入生は、新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより、入学式ができなかった唯一の学年です。なんとか入学式を実施できないかとぎりぎりまで検討しましたが、かないませんでした。それでも緊急事態宣言が出される前にかろうじて対面でガイダンスを行い、5月からのオンライン授業に備えたことが思い出されます。学生たちの不安や孤独感は強く苦労も多かったと思いますが、卒業式での晴れやかな笑顔に安堵しました。本卒業式で敬和学園大学は5,000人を超える卒業生を送り出したことになります。これまで、新発田市、聖籠町、新潟県をはじめとする自治体や地域の方々、オレンジ会、新潟県内や関東教区の諸教会、全国におられる敬和とつながりのある方々、卒業生や退職された教職員の皆さまのお支えにより、学生たちが多くの事柄にチャレンジしながら実りある学生生活を送ることができましたことに心より感謝申し上げます。

2023年度卒業式を挙行しました


 

感染症に注意しながらではありましたが、学生たちの地域活動や海外研修・留学が次第に活発化し、例年に勝るとも劣らない充実した活動が展開されました。そのようながんばりを称える表彰も行われました。そのうちの一人、小林さんはウクライナに住む子どもにボランティアで日本語を教えたことで表彰されました。空手とレゴとポケモンと絵を描くことが大好きな一人の男の子の、「日本語を勉強しています。手伝ってくれませんか」との問いかけに応えて、小林さんはもう一人の学生、川崎さんと毎週日本語の教材を作り、授業を続けました。前の授業との間にロケットが落ちたとか、シェルターに逃げたという話もあったそうです。小林さんは、「戦争をしている国の子どものために何かできることがあれば助けたい」と思って引き受けたそうです。日本語教育について学んでいても、小さい子に教えた経験がないので不安だったけれど、「自分の小さい不安だけでやらないというのはどうかな?と思った」とのことです。一年間続けて、アレックス君の日本語や英語が上達しただけでなく、小林さんの中にも変化が起きたようです。「いつもアレックスのために、アレックスを通してウクライナのことを考えている。自分の中にアレックスの存在が大きくなり、戦争をしている国に対して他人事ではいられなくなった」と話していました。「平和は観念ではなくて実態である」という言葉を思い出します。人知れずこういう活動を続けてくれた学生たちを誇りに思います。

卒業記念パーティーでは、実行委員会の趣向で、できなかった入学式がサプライズで挙行され、あの時読むはずの新入生代表の宣誓を石井さんが読んでくれました。そして全員に入学許可宣言を出し、スライドショーで4年間を振り返り、卒業を再度祝いました。実行委員の皆さん、ありがとう。共に困難に耐え深い友情を結んできた友と別れ、それぞれ行く先はさまざまですが、夢に向かって元気に飛び立っていきました。一人ひとりの人生に神の祝福あれ!(金山 愛子)

新入生代表の宣誓を石井さんに読んでいただきました