不思議な連鎖
面談した新約聖書学の先生から、びっくりするようなことを言われました。隣の東京神学大学で旧約聖書を教えておられる故左近淑教授が、クニーリム先生の友人のはずですよというのです。アメリカに留学し、ユニオン神...
面談した新約聖書学の先生から、びっくりするようなことを言われました。隣の東京神学大学で旧約聖書を教えておられる故左近淑教授が、クニーリム先生の友人のはずですよというのです。アメリカに留学し、ユニオン神...
問題意識が通じるかもしれないと思った研究者はドイツ人で、ハイデルベルグ大学で学位を取得し、故ゲルハルト・フォン・ラートという『旧約聖書神学』を著した偉大な研究者の愛弟子で、ロルフ・クニーリムという人で...
中川先生から強く勧められても就職があるわけでないので、ありがとうございますとお礼を述べて、この話は終わってしまったのです。そのうち別の教授から、期末試験の採点を手伝うように言われました。アルバイトでな...
大学院が終わることになりましたが、自分の将来について、目標のないまま悩みに悩み抜いていました。母校で非常勤助手の仕事をしていましたが、博士課程が修了しても、その道で職を探せることはありえない現実があり...
「論文」に対する批判は詳細を極めました。問題意識は評価するが、方法論的裏付けが欠けているという指摘から始まり、申命記法典が編纂されたその歴史的な出来事との関係付けが希薄で、二人称複数形を使った編集段階...
荒削りのレポートでしたが、先生から教えられたとおり、聖書本文を丁寧に読んでから研究論文を読むという手法に従ったものでした。ヘブライ語聖書語句辞典(コンコーダンス)を使い、どの用語がどの箇所で使われてい...
説明できない部分を残したままレポートを書かざるを得なかったのです。論文を書くという気持ちはありませんでした。申命記で二人称単数形部分と複数形部分が使われている部分を調べると、使われている箇所に偏りがあ...
忘れられた学説を再検討してみようと思ったのは、追い詰められていたからです。19世紀のドイツの学者でシュトイエルナーゲルという旧約学者が、文体が不統一なのは二つの独立した申命記法典の版(二人称単数形の版...
申命記の文献学的考察という演習ですから、主題は申命記をめぐる問題に限定されます。学会発表もされた関根先生は独自の解釈を掲げておられたのですが、あるゼミのとき驚くようなことを言われたのです。申命記本文に...
大声で叱られた経験はずしりと重いものでした。この先生の目が光っているところでいい加減な仕事はできない、と強く思わされたからです。「地震、雷、火事、親父」という諺を思い出しますが、安易な質問をした同級生...